ふぁんしぃ
2006
笑いオトコさんからの投稿。
どきどき、ドキドキ。
―う~ん、まいったなぁ…。
正直、こんなになるなんて…。
だいたい、この格好でここにいること自体不自然で、
これって楽しいんだろうか?
いや、多分楽しいはずなんだよ、きっと…。
そう、そうに決まっている。
どきどき、ドキドキ。
人間は非日常、どこか自分とかけ離れた世界を憧れる。
また自分にないものを欲する。
ミノルもまた当然この自分の感情に気付いていた。
ただ、それは普段幾重に重なった鍵の中の宝箱に入れられていた。
その存在は知られていたが、
中身は知らないことになっている。
いや、きっと想像はついていた。
ただ、開けるのに非常に勇気がいる。
パンドラの匣のように…。
どきどき、ドキドキ。
―私がこの格好でここにいることを、
知っている人が見たらどうなるだろう…。
イメージの違う私を、
本当の私を見られたとしたら…。
どきどき、ドキドキ。
―きっかけは単純なのだろう、多分。
動機を聞かれれば、
『ソコニスベテガソロッテイタカラ。
アト、カギヲアケルセイジツサト、
ジッコウスルユウキガタマタマアッタ。』
という答えになるだろうか…。
ミノルはカクテルグラスを傾けながら、
そっとそんなことを考える自分がまんざら嫌いでないことを確認した。
つづく。
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2006
とりあえず駅行くか!
長野駅に向かって歩く。
もうそろそろ始発の時間なんじゃないか?
そこな辺はよくわからないが
檸檬心さんは豪勢にとタクシーに乗り込んだ。
篠ノ井駅まで。
檸檬心さん宅そばのセブンイレブンで降りた。
飲み物とか色々買おうぜ!
梅酒、乾物、メロンパン、弁当、飲むヨーグルト、アイス、ウコン。
よくわからない取り合わせだ。
ただいま。
檸檬心さん宅に来客があったらいつも泊めるという客間に入る。
この部屋は面白い。
檸檬心さんが昔書いたのであろう絵が何点か飾られている。
恐竜の絵もその中のひとつだ。
高そうなお酒も置いてある。
俺今日ここで寝るわ。
彼は自分の部屋から毛布と枕をもってきた。
色々話をする…話をする……。
あ!アイス買った。
知覚過敏の人はいいとして、
檸檬心さんの買ったピノは見た目はそのままなのだが
食べるととろけてるアイス部分。
私の買った練乳ミルクバーは取り出したら棒だけだった。
最後の力を振り絞るかのように笑い、
眠りについた。
翌朝…というか昼、疲労感とともに起きる。
檸檬心さんの母上が朝ご飯にと弁当を作ってくれていた。
三つ並ぶ弁当。
ひとつにだけ『檸檬心』と書かれた紙がつけられている。
これ檸檬心さん専用らしいっすよ。
なにが違うんだ?他のと。
見た目全く違いがない。
だから余計になんか怖い…気?
それを食べつつテレビを見る。
今日どうしようか?
全く考えてないんだよね。
とりあえず温泉はいりましょうよ。
カレンに乗り込む3人。
タウン誌をみるが決まらない。
マップルもみるが決まらない、
というかどこならいけるのかもわからない。
やっと決まったのが志賀高原方面だった。
そうだ地獄谷をみよう。
行ったことないんだよね。
よし、じゃあ出発!
ってかもう15時!?ゆっくりしすぎた。
初めて乗るカレン。
ねぇねぇ見て見て、入れたんだ。
ふと目をやると
オーディオの液晶部分に流れるアルバムタイトルは
『COSMO SUPER BEST 2005 disc1』
その時のちょっと誇らしげで嬉しそうな檸檬心さんが、
作り手としてはとっても嬉しかったのでした。
ここ左ですよ。
標識に従い地獄谷へと向かう。
つづく。
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2006
ちょっと疲れたので休憩中。
自分の書いたblogを読み返してみた。
第3話に関してはまぁ全力は尽くしたつもり。
お酒を飲みながらの執筆でした。
昨日しりょくを尽くしたので
今日のなあなあ旅行記の方は
少し荒いなぁとか思った。
そうだ。
なあなあのほう書き忘れたことあったなぁ。
どうしよ。
明日は早く来て実験しなきゃ。
液体窒素争奪戦です。
2006
夜の駅前に立つ酔っぱらい3人。
もうなにもかもが楽しくなっている。
NOB氏にいたっては酔って前が見えないという。
みんな笑顔だ、なんかいいな、この雰囲気。
檸檬心さんの中で飲み会は場の空気で2つに分けられるという。
はねる飲み会とそうでない飲み会だ。
コレは間違いなくはねてるな。
これからどうしようか。
なんかこのまま帰るのはもったいないっす。
善光寺行きましょうよ、善光寺。
善光寺がいかなるものなのかは全く知らないが、
道路標識に書かれるくらいだから大きいだろうし、
檸檬心さん的にもおすすめスポットらしいのだ。
酔っぱらい3人はコンビニでひとり一本、瓶の酒を買い、
善光寺と思われる方向へ歩いていった。
空気はなま暖かい。
静かな街に酔っぱらいの笑い声だけが響いた。
あれ、迷った。
長野に結構ながい時間住んでるけどね、
この道は行ったことないんだよ。
まぁいってみるか。
結果タクシーを拾った。
善光寺に着いたらしい。
アレにアレをしつつ、本堂の方へと向かった。
途中すれ違った警備員のおじさんにはちょっとびびったな。
とりあえずお参りすっか!
でもガラガラないっすね。
あそうだNOB、あそこに鐘があるからならしてこい!
いやいや、絶対怒られますって。
お参りを済ませ、
3人はおみくじをひくことになった。
私はもう酔いもだいぶ冷めていたので問題なかったが、
他の二人はおみくじを開けない状態にあった。
NOB氏は開けない開けないといいながら、
七夕飾りのような芸術的作品を作り上げた。
腹が痛くなるくらい笑ったなぁアレは。
一方で檸檬心さん。
彼も開くのに悪戦苦闘。
日本酒の瓶を小脇に抱え戦った。
あ、破けた、やべー。
でも、やった大吉だ!
そういった瞬間、大吉が風にとばされ、飛んだ。
大吉おとした!
拾おうと地面に手を伸ばすと
小脇に抱えた瓶から日本酒がじょばじょばじょばじょば。
フタをしてなかったようだ。
ひととおり笑ったところで再び善光寺をみる。
横にまわるとその大きさにまた圧倒された。
ずいぶんと奥行きがあるのだ。
やっぱりでかい。
おはようございます、とすれ違うおじさんがいう。
そうか朝か。空が白んできている。
帰ろう。続きはうちでだ。
今日は24時間のみだから。
善光寺での思い出話なんかを聞きながら、
私たちは檸檬心さんの家へ向かったのである。
つづく。
>>⑩を読む
2006
彼は一瞬戸惑ったが、すぐに気がついた。
昔してしまったことと全く同じ過ちを、
自分はしてしまったのだと。
「…手袋は…はきませんよね。」
「そうですね。」
女の表情を軟らかくしたのは
ジャズでもなければ、暖炉の火でもない。
NOBの口から唐突に出た、あたたかい津軽なまりだった。
「俺の地元青森なんっすけど、青森でははくって言うんっすよ。
代官山でこの手袋買ったときも同じようにはくって言っちゃて…。」
「そうなんですか。」
NOBは自分の意図とは違ったものの、
ため息ばかりついていたその女の表情を
微笑みに変えることができたのだった。
-かわいいなぁ。
彼は心の中で呟いた。
その物憂げな表情もすてきだったが、
そこに一瞬現れた微笑みもまた、美しかった。
再び静寂が訪れた。
手袋をしたその手は居場所を失い
テーブルの下の潜り込む。
ほら、早く言いなよ。
彼の前に置かれたグラスの氷が、
カランと音を立てて彼をせかした。
「あのー…。」
「実は手袋をしたのはもう店を出ようと思ったからなんですよ。
……あなたを連れて。」
一瞬時が止まる。
女はずっと眺めていたカクテルをひとくち飲み、
静かに言った。
「私、星が見たいな。」
NOBは思った。
こんな都会の真ん中で星が見える所なんて…。
いや、一カ所だけ。
3年前あいつと行ったあの場所なら。
「いいですよ。いいとこしってるんっすよ。」
NOBは女の手を取り、店を後にしたのだった。
-やっぱり飲むと晴れるな。
女は黙って星を見ている。
NOBの意識は、久しぶりに見た星空よりも
その星を見ている彼女の横顔に向いていた。
「星、綺麗ですね。」
「そうっすね。やっぱ冬は特に綺麗っすよ。」
-あれが何座だって少しでも教えられたら…
彼は大学時代の自分を少し後悔するのだった。
「あ、流れた。」
「あ、流れた。」
自然と笑みがこぼれ、不意に目があった。
気まずそうにまた夜空に目を向ける二人。
「私ね…。」
白い吐息とともに彼女は話し始めた。
つづく。
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